生涯に亘って受け止めのできる法人を目指して

社会福祉法人むさしの郷

転職後を振り返って【むさしの青年寮 職員】

高校卒業後、資格を活かすため建設業で働き始めました。その7年後の2008年9月のリーマンショックの影響を受け、建設業界は大きなダメージを受けると同時にリストラのラッシュが始まります。私が勤めていた会社にも危機が迫り、仕方なく転職せざるを得なくなりましたが、特にやりたい事もなく、ただ安定を求めて某大手珈琲メーカーに就き、機械オペレーターとして勤務することになりました。

ほぼ毎日機械トラブルで帰りが遅くなるが、私の中では「大手企業で働けている。安定しているから辞めるわけにはいかない」、「休みの希望も通らないけど、ここで働いていれば間違いはない」と思っていました。がしかし、最終的に娘から「また来てね」と送り出されるくらい、家族とのコミュニケーションがとれなくなっていったのです。看護師をしている妻から「福祉職でやってみては?」と言われ、転職を考えると同時にヘルパーの資格を取りながら就職活動をしました。5カ所施設の面接を受け、その中でむさしの郷に決めました。その理由として、当時面接をして頂いた現山下理事長に、転職理由をどこよりも親身になって聴いて頂いたことが決め手となりました。

入職後、ほとんど勤務変更がなく、勤務表通りに出勤し定時に退勤できる。また、有休が取得できるといった当たり前の事に対して感動を覚えました。

転職後、私の表情が穏やかになったと家族から言われ、気が付くと精神的にも余裕ができていました。利用者さんとの関わりは上手くいかないこともありますが、毎日違う表情を見せてくれる利用者さんとの関わりは常に新鮮に感じています。

ある時、家庭の事情で一週間休むことになり、休み明け利用者さんから「大丈夫?居ないから心配したよ。」と声を掛けられた時は、本当に嬉しい気持ちになりました。利用者さんに対して支援しているつもりが、どこか私の方が救われた気がし、人と人だから感じる感情があると感じました。

福祉職に就いて5年目。気が付けば中堅職員となり、同僚と意見が合わず、ぶつかることも多々ありますが、今感じることは、私の使命として利用者さんの事を第一に考えること、またむさしの郷の理念『施設は障がい者の幸せのために存在する』を遂行するには、まず私自身が幸せに近い心境で支援にあたらなくてはいけないということです。

何故なら、自分自身に余裕がない、嫌なことがあると、人は表情や言動に必ず出るものです。口に出さなくても他人に伝わってしまう。そんな心境で利用者の幸せを作るのは無理だと思います。家族に「表情が穏やかになった」と伝わるように「人は自分の鏡」心にゆとりを持ってこれからの人生や仕事に励みたい、そう思えるようにしてくれた今の職場環境に感謝しています。(嶋村)