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社会福祉法人むさしの郷

「めざす」と「すごす」【むさしの青年寮 職員】

先日出席した会議の中で「“見守り”って私達にとってとても都合の良い言葉にもなる。“見守り”が、利用者をただ見ているだけになってはいないか考えてみて欲しい。」という話が施設長からありました。会議後、「見守り」とは何か考え直してみたいと思いました。私が読んだ文献の中に、

見守り支援の役割は、

①利用者が、身体介助や家事援助が必要になった場合に対応出来るようにする待機時間としての見守り、

②利用者を危険な状態から回避する為の見守り、

③一緒に会話をするなどのコミュニケーションとしての見守り、の3つが挙げられており、“見守り支援とは、身体介助や家事援助に当てはまらない、良好な人間関係の中で利用者と一緒に「すごす」時間”と記載されていました。

こうした見守りによって、利用者は安心して寝る、起きる、食べる、トイレ、入浴、日中活動などの日常生活を送ることができるとのこと。支援をする中で、「利用者に身体介助や家事支援を受け入れて貰いたい」、「大きな問題を起こさないで欲しい」と思うことは誰もが抱く感情ではないでしょうか?できる、できないを視点とした「めざす」関わりを求めようとしても「すごす」ことからはじめないと何も生まれない、ということも書かれていました。福祉の仕事に就いて19年目となり、経験の積み重ねによって、業務を円滑に進めることに苦労を感じることは少なくなりました。

今回、「見守り支援」について改めて考えることで、「めざす」関わりばかりを利用者さんに押し付けていないだろうか?一緒に「すごす」ことを大切にしているだろうか?この方とは良好な関わりが築けているとおごってはいないだろうか?と思い直すことが出来ました。そして、利用者の皆さんに安心感を持って貰えるような職員でありたいと思います。その為に改めて、共に「すごす」時間を大切にしていきたいと思います。(大岡)